どうもSayaTateです。
先日、イギリスのインテリアデザインスクール、INTERIOR DESIGNERS HUBが主催する”BECOME AN INTERIOR DESIGNER – 5Day Taster Challenge“に参加をしました。
たまたまネット検索中にこちらのスクールのウェブサイトを見つけ、Facebookのグループ内でスクールのPRを兼ねた無料で参加ができるチャレンジがあるのを知り、滅多にない機会だと思い参加をすることにしました。
チャレンジの概要
“BECOME AN INTERIOR DESIGNER – 5Day Taster Challenge“は、その名の通り5日間のチャレンジを通してインテリアデザイナーの仕事の基本を学ぶチャレンジです。
先述したFacebookのグループ”BECOME A SUCCESSFUL INTERIOR DESIGNER“のメンバーであれば、誰でも無料で参加ができます。
まず、事前にクライアントの詳細(住まい、家族構成、どの部屋をどのようにコーディネートして欲しいのか…など)が書かれた資料が配布されます。
チャレンジが始まると主催者のKateから、毎朝午前9時(日本時間では午後6時)にその日のチャレンジ内容(課題)が記載されたメールが届きます。
その日の課題を作成し終えたらFacebookのグループ内でシェアをします。
課題をシェアするとKateからフィードバックが貰えます。
5日目のチャレンジ後にFacebookのグループ内でKateによるディスカッションのLiveがあり、終了となります。
依頼内容
・今回のクライアント
イギリスのエセックス州に住む女性。ご主人と成人した息子さんがいます。
・コーディネートを希望する部屋
予備の寝室
・その部屋を使用する人
クライアントの息子さんが短期間使用し、その後はクライアントが使用
・どのようにその部屋を使うか
息子さん(後にクライアント)の寝室として使用。また、息子さんがその部屋でデスクワークをすることもある。
・希望のスタイル
クライアントはアールデコ様式の家に住んでおり、家の各所に残るアールデコのスタイルを維持することを望んでいる。
また、自然が好きなのでアールデコスタイルとナチュラルスタイルの融合を希望している。
・その他の希望
とにかく落ち着いた雰囲気にして欲しい。「男性的」でもなく「女性的」でもない部屋を望んでいる。
・そのまま使用したい物
1930年代の備え付けのワードローブ、現在使用しているベッド。但し、ワードローブは他に有効な改善案があれば撤去を検討しても良い。
Day1 – コンセプトボードを作る
1日目のチャレンジは、コンセプトイメージを考えてボードにまとめる作業です。フリー写真のサイトやピンタレストから画像を探し、画像編集ソフトなどでイメージボードを作ります。
コンセプトボードの作り方のコツとしては、
・選ぶ画像は、5枚~6枚くらい
・実際に部屋に置く家具や小物の画像はまだ入れない
・自然や動物、建物、風景などの画像を選ぶ
これらを意識して作成します。
例えば、クライアントが50代男性で、高級志向・上質で品のある・渋いインテリアを希望する場合のコンセプトボードは、こんな感じ。
クライアントが30代の女性で、オリエンタルスタイルの鮮やかなインテリアを希望する場合のコンセプトボードだとこんな感じになります。
事前にクライアントの希望の配色が分かっている場合は、その色が含まれた画像を選びます。
クライアントに希望の配色が無い場合は、この時点で配色を決めてその色が含まれた画像を選びます。
この作業が次のチャレンジにつながるので、この時点である程度方向性を定めておく必要性があります。
ちなみに1日目に私が作成したコンセプトボードはこちらです。
今回は「アールデコと自然の融合」がコンセプトなので、アールデコと自然をイメージした画像を選びました。配色は、男性的でも女性的でもないアースカラーのテラコッタとグリーンにしました。
また、落ち着く部屋を希望しているのであまり華美にならないように派手なアールデコの装飾をイメージする画像は避けました。
Day2 – カラースキームを作成する
2日目のチャレンジは、1日目に作ったコンセプトボードを元にカラースキームを作成します。
今回、カラースキーム作成に役立つサイトとしてCoolorsを教えてもらいました。
今回、私が作ったカラースキームはこちら。
最終的に家具などの写真を載せるプレゼンボードにも使えそうなグラデーションのスキームと、家具・小物選びに役立ちそうな色が分かれたスキームと2パターン作りました。
Day3 – 配置図を作成する
3日目のチャレンジは、フロアプランの作成です。
チャレンジ当日に配布された部屋の図面を元に、設置する家具のレイアウトを考えます。
今回のクライアントの寝室は、横3.9m×縦3.5mの14㎡(約9畳)の部屋です。
図面左上の白い四角がワードローブ、その横にあるのは取壊し不可の暖炉です。
事前にヒアリングしていた内容では、
・息子さんがデスクワークをすることがある
・ワードローブは変更可能
・ベッドは既存のものを使う
ということでした。
そして、新たに追加された要望としては、
・もう少し収納を増やしたい
・間接照明をいくつか追加したい
・可能であれば座る場所が欲しい
という意見が上がってきました。
クライアントのベッド(横1.4m×奥行2.4m)を配置するとこのようになります。(ベッドは現在の配置場所です)
この残りのスペースで先程挙げたクライアントの要望を満たすための家具を配置しなくてはなりません。
私が考えた配置はこうです。
・照明
照明は天井のペンダントライトの他に、ベッドサイドにテーブルランプ、デスクの上にデスクランプを置きました。
・収納
備え付けのワードローブはそのまま使用し、ベッドエンドに収納付きのベンチを置きました。そして手前の壁際にローチェストを置きました。
・座る場所
ベッドエンドのベンチと机のチェアを追加しました。
もちろんこれはほんの一例で、造作家具をデザインしている方など、優れた配置プランを作っている方がたくさんいました。
Day4 – 家具を選ぶ
4日目のチャレンジは、家具を購入するお店探しと、選んだ家具の中から3つだけお気に入りをピックアップする作業です。
インテリアデザインの仕事の中で、一番楽しい作業はやはり家具選びではないでしょうか。
FBのコメント欄でも「この日が来るのを待っていた!😍」という声がたくさんありました。
今回はなんと予算は決まっていません。好きなショップで好きな家具を選んで良いのです。
海外のネットショップは「Interior shop england」で検索をしたらたくさん出てきたのでその中の気に入ったお店から探すことにしました。
その中で、他の多くのメンバーも選んでいたお店をいくつかご紹介します。
MADE.COM
https://www.made.com/
MAISONS DU MONDE
https://www.maisonsdumonde.com/UK/en
SWOON
https://www.swooneditions.com/
残念ながらどのショップも日本への配送は未対応のようですが(交渉をすれば可能かもしれません)、海外インテリアのトレンドや相場を把握するのに参考になると思います。
この日、私が提出したボードはこちら。
お気に入りの3つというよりは、時間が足りなくてこの3つしか選ぶことができませんでした。
時間が掛かってしまった理由としては、海外のインテリアショップはとにかく品数が豊富で選ぶのが大変だったということです。
予算が指定されていないのも選択肢が増えるので逆に大変なことだということが分かりました。
残りの選びきれていない家具は、4日目の課題提出後に選ぶことになりました。
Day5 – プレゼンテーションボードを完成させる
いよいよ最終日のチャレンジです。
最終日は、これまでに作成したボードを組み合わせて、クライアントへ訴えかけるプレゼンテーションボードを作成します。
なんとか家具もすべて選び、完成したボードがこちらです。
最初のコンセプトボードのイメージから逸れることなく、上手く家具選びができたのではないかと思います。
チャレンジを終えて
今回、5日間を通して学んだことはインテリアコーディネーターの仕事としては初歩的な内容でした。
ただ普段、他の方のデザインやインスピレーションを見れる機会は滅多にありません。特に今回は、ほとんどの参加者がイギリス在住のイギリス人でしたので、その方々の発想を見ることができたのはとても貴重な体験でした。
今回参加した50名弱の参加者の中にはすでにインテリア業界や建築業界で働いている方もいましたが、インテリア好きの主婦だったり、今は別の業種で働いていていずれはインテリアの仕事がしたいと思っている方が多かったです。
それでも全体的にインテリアに対する知識やスキル、デザイン感覚が優れた方が多く、とても勉強になりました。最後のプレゼンボードはここで紹介ができないのが本当に残念なほど、クオリティの高いものが多かったです。
何よりもこの5日間は学生時代に戻ったかのように、毎日ワクワクしてチャレンジに挑めたことが最高に幸せでした。
スクールについて
今回のチャレンジの主催者Kateが運営するINTERIOR DESIGNERS HUBは、オンラインのインテリアデザインスクールです。
インテリアデザイナーになるためのトレーニングを行い、卒業後にはプロのインテリアデザイナーとしてビジネスをスタートできるようにマーケティングのノウハウも学ぶことができるみたいです。
月額£11から学べるSketchUpのトレーニングコースや、デザインボードの作成に特化したコースなどがあります。
これからインテリアデザインを一から学びたいという人にはおすすめのサービスだと思います。
ちなみに私はほとんど英語ができません。今回のチャレンジでは、ほぼGoogle翻訳に頼って乗り切りました。
ですが、レッスンでは動画のトレーニングも多いので、ある程度英語が理解できないと授業料は無駄になってしまうでしょう。(特にヒアリングスキルが無いと厳しいです)
こちらのスクールに限らず、海外ではオンラインのインテリアデザインスクールがたくさんあります。
今回のように無料でトレーニングが体験できるスクールもあると思いますので興味がある方は調べてみてはいかがでしょうか。
私もまたこのような機会があればぜひ参加してみたいと思っています。